全社協などが配置基準改善を要望 自民党がこども会議でヒアリング

自民党は、子ども支援に関わる関係団体からヒアリングを行いました。

自民党の「こども・若者」輝く未来実現会議(木原稔座長)は2月27日、こども支援に関わる関係団体からヒアリングを行った。全国社会福祉協議会や、保育所の全国組織でつくる「保育三団体協議会」などが出席。施設の職員配置基準を抜本的に改善するよう求める声が出た。

全社協などが要望

 開会にあたり木原座長は「政府が3月末までにまとめる少子化対策のたたき台に向け、党の意見をしっかり集約したい」と述べた。

 会合には、金井正人・全社協常務理事、横川哲・全国乳児福祉協議会副会長、川下勝利・全国私立保育連盟会長、奥村尚三・全国保育協議会長、川鍋慎一・日本保育協会常務理事らが参加した。

 金井常務は、保育所の4、5歳児に対する職員配置基準が戦後から変わっていない点を指摘し、「抜本的な改善に着手すべき」と主張した。社会的養護関係施設についても、高機能化や多機能化に向けた職員体制の拡充や専門職の配置が不可欠だとした。

 続けて、全産業と比較して保育士の月給が5万円ほど低いことにも触れ、職員の処遇改善や恒久的な財源確保も求めた。

 また、横川副会長は乳児院の実態について説明し「虐待で死亡するこどもの7割が0~3歳児であり、こうしたこどもへの支援を考える必要がある」と強調。すでに乳児院では、産前産後の母子支援などを展開していることも紹介した。

 保育団体を代表して川下会長も配置基準の見直しや処遇改善などを提案した。公定価格の算定については、こどもの数を基礎とするのではなく、支援の内容を評価する新たな仕組みを求めた。

 議員からは「特定妊婦への支援充実が必要」「伴走型支援についてはどう思うか」「社会的養護は家庭的養育を進めるべき。乳児院として家庭支援をどう考えているのか」などの意見が出たという。

 これに対し、横川副会長は全乳協の「乳幼児総合支援センター」の構想を踏まえ、親子再統合支援に力を入れていると応じた。親子を分離しない支援も実践しているが、職員体制の拡充が必要だと説明した。

 会合は今後2回ほど開く予定だ。

2023年03月07日 福祉新聞 編集部

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