障害者総合支援法など、政府が閣議決定 居住と就労の幅広げる
障がい者の居住と就労の幅を広げるため政府は10月14日、障害者総合支援法などの改正案を閣議決定した。障害者の住まいや働き方の幅を広げることが柱。精神障害者については、強制入院の在り方を本人の権利擁護の観点から改める。難病患者の支援も強化する。改正内容は多岐にわたり、改正する法律は8本に及ぶ。厚労省は12月10日の会期末までの成立を目指す。施行は一部を除き2024年4月1日。
住まいについてはグループホーム(GH)の定義を変える。入居者のうち希望する人がアパートなどでの暮らしに移れるよう支援すること、移行後の定着を支えることを支援内容に加えた。
就労については働き方の選択を支える新サービス「就労選択支援」を創設する。また、短時間なら働ける精神障害者らを雇う企業のメリットになるよう、障害者雇用促進法に特例を設けて雇用率への算定を認める。
これらは障害者が福祉サービスの枠にとどまることのないよう、住まいや働き方の多様化を進めるものと評価できる半面、福祉からの離脱促進とみる向きもあり、法案審議の論点となりそうだ。
福祉新聞 2022年10月26日